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製造業の図面検索システム|AI形状検索とOCR文字検索の違いと活用法

製造業の図面管理で、こんな悩みはありませんか?
「過去に似た図面があったはずだけど、見つからない...…」
「お客様から手書きスケッチで見積もり依頼が来たけれど、どう対応すればいいかわからない」

製造業において、図面は製品を作るうえで重要な情報です。過去の図面を参照できれば、設計時間の短縮や見積もり精度の向上、品質向上につながります。しかし、その図面を探すことに多くの時間を費やしていては本末転倒です。

この記事では、図面検索システムにおける「形状検索」と「OCR検索」、それぞれの特徴と効果的な活用方法を解説します。自社のスタイルにはどちらが合うのか、そして生産管理とどう組み合わせれば一番楽になるのか、一緒に考えていきましょう。



【結論】図面管理には「形状検索」と「OCR検索」の
組み合わせが効果的

先に結論をお伝えします。図面管理を効率化するには、「形状検索」と「OCR検索」、それぞれの強みを理解して、業務に応じて組み合わせるのが正解です。

さらに、製造業の業務は図面検索だけでは完結しません。図面検索と生産管理(納期管理、工程進捗、在庫管理など)の両方がスムーズに進み、はじめて業務全体の効率が上がります。



製造業における図面管理の現状と課題

製造業の業務を圧迫する要因の一つが、図面を探す時間です。

ここでは、多くの工場が抱えている図面管理の悩みについて触れていきます。当てはまる課題がないかチェックしてみてください。

図面探しに時間がかかる

類似案件の図面があるはずなのに見つからず、時間をかけて探していませんか?結局、ゼロから見積もりを計算したり、設計し直したりするケースもあるでしょう。

見積もりを見誤ってしまう

過去の類似図面が見つかれば、「加工に意外と時間がかかった案件だ」と気づいて、見積もり金額を調整できます。一方で図面が見つからなければ、安く見積もってしまうリスクもあります。

これでは時間のムダだけでなく、過去の失敗やノウハウを活かせていないのと同じことです。

図面管理が属人化している

また、図面の保管場所がベテラン社員の記憶頼りになっている状態も多く見受けられます。その方が休めば、業務が止まってしまいかねません。

外出先で図面を確認できない

さらに、外出先での対応ができないという課題もあります。営業担当がお客様のところで図面を見せたいと思っても、会社に戻らないと確認できません。この移動時間のロスは、商談のスピードを大きく落とします。

図面の最新版がわかりづらい

最新版の管理も難しい問題です。修正が入るたびに図面が更新されますが、どれが最新かわからず、古い図面で作業してしまうミスが発生します。



図面管理の3つの方法と選択肢


では、どのように図面を管理すればよいのでしょうか。製造業における図面管理には、大きく分けて3つの方法があります。
それぞれにメリットとデメリットがあり、自社の状況に合わせて選択する必要があります。

1.紙での管理

従来から行われてきた紙での図面管理は、現物を見ながら作業できる点がメリットです。図面を広げて複数人で確認したり、書き込みをしながら打ち合わせができたりします。システム投資も不要です。

しかし、図面は増え続け、保管スペースが逼迫します。図面棚に保管された膨大な図面の中から、目的の1枚を探し出すのは簡単ではありません。図番がわかっていても、どの棚のどの引き出しに入っているかを探すだけで数十分はかかります。また、経年劣化で印字が薄くなったり、破れたりするリスクもあります。

2.フォルダ管理(単純なデジタル化)

図面をデータとして保存することで物理的なスペースが不要になり、バックアップが可能になります。PDFにしておけば、複数人で同時に確認できる点もメリットです。

ただし、新たな問題が発生します。フォルダ階層が複雑化し、「顧客名」「年月」「製品名」など、階層が深くなると、どこに何があるかわからなくなります。担当者ごとにフォルダ名の付け方が異なると、検索しても見つかりません。

また、最新版の管理が曖昧になりやすい点もデメリットです。「2026年版」「最新版」「修正版」など、同じ図面が複数箇所に保存され、どれが正しいのかわからなくなることもあります。

3.システム管理(形状検索・OCR検索)

システム上で図面データを管理する方法もあります。

登録した品番や品名、図面上に書かれた形状や文字から図面検索ができるため、フォルダやファイルの管理を細かく行う必要がなくなります。ただし、コストがかかるので、費用対効果の見極めは欠かせません。図面管理システムにおける形状検索とOCR検索については、ここから詳しく後述します。



形状検索の特徴と活用方法



では、形状検索がどんな場面で威力を発揮するのか、具体的に見ていきましょう。

形状検索とは

形状検索とは、図面の形状をAIが認識し、似た形状の図面を探し出す技術です。主な検索方法は次のとおりです。

  • 形状類似検索:図面全体の形状を解析し、類似度の高い図面を表示
  • 部分一致検索:特定の形状パターン(穴、溝など)を検索
  • スケッチ検索:手書きスケッチから類似図面を検索

品番・図番がわからない図面に効果を発揮します。

形状検索が特に有効な5つのケース

ケース1:見積もり作成のための類似図面検索

見積もり作成時に、品番や品名がわからないケースは少なくありません。

お客様が手書きで書いたスケッチをもとに見積もりを作成する場合もありますよね。「以前、似たような部品を作ったはず」という記憶があっても、はっきりと思い出せないこともあるでしょう。

形状検索を活用し、過去の類似案件を素早く見つけられれば、加工時間・コストを参考に見積もりを作成できます。「思ったより時間がかかった」といった見積もりミスも防げます。

ケース2:似た図面が多い多品種小ロット生産

類似する図面が大量にある多品種小ロット生産の現場でも、形状検索が有効です。

例えば、シャフト(軸)の図面が100種類あるとします。直径や長さが少しずつ異なるだけで、見た目はそっくりですよね。この場合、類似する図面の品番から検索するのは困難です。

形状検索なら似た寸法の図面を一覧で表示できます。加工方法や工数を参考にでき、過去の失敗事例も確認できます。

ケース3:図番管理されていない過去資産の活用

品番・図番が付いていない古い図面が大量にある場合にも、形状検索が活用できます。

紙図面をスキャンしただけで情報が整理されていない状態でも、形状検索なら図面を特定できるからです。創業から数十年経つ製造現場で、昔の図面管理が不十分なケースで有効です。

ケース4:設計部門での流用設計

新規設計時に類似形状の過去図面を参照し、寸法を修正して流用する場合にも形状検索が活用できます。

一から設計するより、過去の図面をベースに修正する方が効率的です。設計時間を大幅に短縮できます。

ケース5:標準部品・汎用部品の検索

ボルト穴のパターンやリブ形状など、特定の形状パターンを検索する場合にも形状検索が便利です。「4-M8のボルト穴パターン」など、標準的な形状を検索することで、過去の図面を活用できます。

形状検索を活用する際の考慮点

形状検索には、考慮すべき点もいくつかあります。

考慮点1:類似図面が多い場合の絞り込み

考慮すべき点として、似すぎている図面は絞り込めないことが挙げられます。
例えば、円筒形の部品を検索すると、直径や長さが異なる多数の図面がヒットします。その中から目的の図面を見つけるには、材質や寸法などの情報をチェックする必要があります。

考慮点2:詳細情報の確認が必要

製造業では、外形は同じでも詳細な仕様が異なる場合、別の部品になります。形状だけでは判別できない次のような情報は確認が必須です。

  • 公差
  • 表面処理
  • 材質の違い
  • 熱処理の有無

これらは図面内の文字情報として記載されているため、形状検索で候補を見つけた後、OCR検索で補完する方法が効果的です。

考慮点3:費用対効果の見極め

自社の業務で形状検索をどれくらい使うか、費用対効果に考慮しましょう。

「見積もり業務が多い」「流用設計が中心」という企業にとって、形状検索の価値は高くなります。逆に、品番管理がしっかりしていて、ほとんどの図面を品番で検索できる企業では、OCR検索で十分かもしれません。

形状検索システムは、月額3万円程度から利用できるサービスも登場しており、導入のハードルは以前より低くなっています。



OCR検索の特徴と活用方法

次に、OCR(文字認識)検索です。地味に感じるかもしれませんが、実務ではこちらの方が使える場面が多いかもしれません。

OCR検索とは

OCR検索は、図面や注文書の文字情報を読み取り、テキストを検索できるシステムです。検索できる情報は次の通りです。

  • 材質情報(SUS304、S45Cなど)
  • 加工方法(旋盤、フライス、研削など)
  • 公差情報
  • 表面処理(メッキ、塗装など)
  • 図面内の注記・コメント
  • 品番・図番・品名

OCR検索が特に有効な5つのケース

ケース1:品番・図番での高速検索

製造業の共通言語である品番・図番での検索は、最も基本的で重要な機能です。お客様から「品番A12345の納期は?」と電話があったとき、瞬時に図面と進捗を表示できることが重要です。電話口でお客様を待たせることはできません。

ケース2:加工方法での検索

加工方法の検索も便利です。新人作業者が「旋盤加工の経験を積みたい」と思ったときに、過去の旋盤加工案件を簡単に探せます。加工方法から図面を検索すれば、ベテランのメモ書きから学べるわけです。

ケース3:図面内のメモ・注記の検索

OCR検索では、図面内のメモや注記の検索も可能です。「バリ注意」で検索すれば、過去にバリ問題が発生した図面を特定できます。そこに「φ10エンドミル使用」とメモがあれば、同じ工具を使えばよいとわかりますね。ベテラン作業者が図面に書き込んだメモやノウハウを活用し、同じミスを防げます。

ケース4:材質での図面検索

材質変更の提案があったとき、「今までSUS304を使った案件はどのくらいあるか?」「どんな問題があったか?」を確認できます。「SUS304を使った過去の図面」を一覧表示し、過去の実績から、材質変更のリスクを評価できます。

ケース5:品名での検索

「ブラケット関連の図面を全部見たい」というときに、品名で検索すれば該当図面を一覧表示できます。品番がわからないケースで有効です。

OCR検索の考慮点

製造業で便利に活用しやすいOCR検索ですが、考慮すべき点が2つあります。

考慮点1:手書き文字の認識率

印字された文字であれば、ほぼ100%認識できますが、手書き文字は筆跡によって精度が変わります。実務上、重要な情報は通常印字されているため、大きな問題はありません。

考慮点2:形状検索はできない

OCR検索は文字情報の検索なので、「似た形状の図面」を探すことはできません。しかし、形状検索で見つけた候補図面の詳細情報(材質、公差など)を確認するのに役立ちます。

つまり、形状検索とOCR検索は、対立するものではなく、互いに補完し合う関係にあるのです。



図面管理システムと生産管理システムの業務領域

ここで少し視点を広げてみましょう。「図面が見つかった後」の話です。工場では、図面管理システムだけでなく、生産管理システムも使いますよね。この2つの境界線は、どこにあるのでしょうか。

それぞれのシステムが得意とする業務領域

図面管理システムと生産管理システムは、それぞれ異なる業務領域で強みを発揮します。
図面管理システムは、図面に関わる業務に特化しています。

  • 過去図面の検索・活用(形状検索・OCR検索)
  • 図面のバージョン管理
  • 設計資産の蓄積・活用
  • 見積もり作成のための類似図面検索
  • 流用設計の効率化
  • 図面の共有・閲覧

一方、生産管理システムは、製造プロセス全体の管理に特化しています。

  • 生産計画の立案
  • 工程進捗のリアルタイム管理
  • 納期管理・遅れの早期発見
  • 在庫管理(原材料・仕掛品・完成品)
  • 外注先への発注・納期管理
  • 原価管理・工数管理
  • お客様からの問い合わせへの即答

図面管理システムは過去の資産を管理し、生産管理システムは今の現場を管理する役割を持ちます。

製造業で日常的に必要な業務範囲

実際の仕事の流れを想像してみてください。見積もり段階では「図面検索」が主役です。でも、受注が決まった瞬間から、主役は「生産管理」に交代します。

「品番A12345、今どうなってる?」「納期、間に合う?」「この材料の在庫ある?」「今、誰が加工してる?」「外注さんからの納品はいつ?」。毎日飛び交うのはこのような会話ですよね。これらの質問に答えるために、図面管理システムだけでは完結しません。

図面検索と製造管理、両方の価値を活かす

理想的なのは、図面管理と生産管理のシステムをうまく組み合わせることです。

見積もり・設計の段階では、形状検索やOCR検索で過去の図面を探し出し、類似案件の加工時間やコストを参考にします。

製造の段階に入ったら、生産管理システムの出番です。生産計画を立て、工程の進捗をリアルタイムで把握できます。納期遅れにも早めに気づけるので、お客様への連絡もスムーズになります。

在庫や原価の管理ができる生産管理システムなら、材料在庫や仕掛品の状況も確認でき、実際の原価もしっかり記録できます。

このように、業務ごとに適したシステムを使い分けることで、「図面を探す」工程から「製品を作る」工程までの製造業務全体の効率が向上します。

システムの組み合わせ方

図面管理と生産管理のシステムを組み合わせる方法は、主に2つあります。

パターン1:専門特化型システムの組み合わせ(図面管理システム+生産管理システム)

図面管理システムと生産管理システムを別々に契約して使う方法です。それぞれの業務領域に特化しているため、高い品質が期待できます。

ただし、コストが2倍近くかかります。具体的には、図面管理3万円+生産管理5万円=月額8万円程度を見込むとよいでしょう。利用の際は、2つのシステムを操作する必要があります。

パターン2:統合型システム(図面管理機能付き生産管理システム)

生産管理システムの中には、図面管理機能が付いているタイプもあります。形状検索までは含まれていないケースがほとんどですが、コストは月額5万円程度で済みます。

1つのシステムで両方の機能を利用できるので、操作が覚えやすい点もメリットです。また、データを一元管理できて、図面と進捗を常に連動できます。

ちなみに、エムネットくらうどは、このパターン2に該当します。

エムネットくらうど:生産管理+OCR検索のシームレス連携



エムネットくらうどは、もともと町工場の現場から生まれたシステムです。そのため、生産管理システムがベースでありながら、図面管理システムの機能もご利用いただけます。

また、図面管理では、品名・品番・図番などから検索し、サムネイル表示ができる機能を標準搭載しているほか、ファイルをクラウド上に保存できるストレージサービス「Dropbox」とシームレスに連携できる体制を整備。

エムネットくらうどの案件別チャットから、Dropbox上のフォルダにPDFファイルを保存できます。フォルダ、ファイル管理が劇的に楽になり、Dropbox側からはOCR検索も可能です。

エムネットくらうど実際の活用例

お客様から「品番A12345、今どうなってる?」と電話があったときに、エムネットくらうどで品番検索をすると以下の情報が1画面で確認できます。

  1. 図面PDF
  2. 現在の工程(例:旋盤加工中)
  3. 納期(例:3日後)
  4. 担当者(例:田中さん)
  5. 過去の製作履歴
  6. チャット履歴
  7. 関連写真・資料

お客様を待たせることなく即答できる状態が、現場では1番助かるんですよね。

エムネットくらうどのコストメリット

エムネットくらうどは、月額5万円(10ID同時接続)で、生産管理と図面管理の両方を利用できます。2つのシステムを別々に導入した場合と比べてみましょう。

別々に導入する場合
・図面管理:月額3万円程度
・生産管理:月額5万円程度
・合計  :月額8万円程度

エムネットくらうどの場合
・生産管理+図面管理=月額5万円
 ※OCR検索を利用する場合、Dropbox側の月額2,000円前後が別途必要

その差は月額3万円。年間にすると36万円のコスト削減になります。

形状検索が必要な場合

もし、見積もり業務や流用設計で形状検索が必要な場合は、形状検索が可能な図面管理システムを追加することも可能です。

  • エムネットくらうど(生産管理+OCR検索連携):月額5万円
  • 図面管理システム(形状検索特化):月額3万円程度
  • 合計:月額8万円程度

この場合でも、基本的な図面管理、検索(品番・材質など)はエムネットくらうどで行い、形状検索が必要なときだけ図面管理システムを使うという使い分けができます。



形状検索vsOCR検索vs組み合わせ:どう選ぶか

ここで改めて、システムの選び方の基準を整理しておきます。

使用目的による使い分け

形状検索のみの図面管理システムと、OCR検索のみの図面管理システム、エムネットくらうどを想定した生産管理システム(OCR検索含む)と形状検索の組み合わせを、使用目的に応じて表形式で比較しました。



用途 形状検索 OCR検索 組み合わせ
見積もり作成(類似図面検索) ◎類似図面から精度向上 ○材質情報で参考 ◎最適
スケッチ図面からの検索 ◎形状で特定 ×文字情報なし ◎形状検索
日常的な図面確認 △オーバースペック ◎最適 ◎OCR検索
お客様対応 ×品番で聞かれる ◎即座に対応 ◎OCR検索
流用設計 ◎有効 ○文字情報あり ◎最適
材質・加工方法で検索 ×形状では無理 ◎可能 ◎OCR検索
過去ノウハウ検索 ×形状では無理 ◎OCRで可能 ◎OCR検索
納期・進捗管理 ×図面管理のみ △生産管理と要連携 ◎生産管理機能

業務スタイル別の選択基準

次に、業務スタイルからも必要性を検討してみましょう。

見積もり業務が多い企業

おすすめ:形状検索+生産管理システム(OCR検索含む)
見積もり業務では、類似図面を素早く見つけることが重要です。形状検索があれば、スケッチ図面からでも過去の類似案件を特定できます。受注後は生産管理システムで納期管理・工程管理を行います。

製造管理が中心の企業

おすすめ:生産管理システム(OCR検索含む)
日常業務は品番での検索がほとんどです。OCR検索で材質や加工方法も検索でき、納期管理・工程管理も一体で行えます。形状検索は、必要性を感じてから追加を検討しても遅くありません。

設計・流用設計が多い企業

おすすめ:形状検索+生産管理システム(OCR検索含む)
流用設計では、過去の類似図面をベースに新しい図面を作成します。形状検索で似た図面を探し、OCR検索で材質や加工方法を確認します。



効率的な図面管理の導入ステップ

「よし、導入しよう」と思っても、いきなり高いシステムを入れるのは危険です。失敗しないための4ステップを紹介します。

ステップ1:目的を明確にする

「なんとなく便利そうだから」は失敗の元です。何のために図面管理を改善するのか、まず目的を明確にしましょう。主な目的の例は次の通りです。

  • お客様からの問い合わせに即答したい
  • 過去の類似図面を見積もりに活用したい
  • 流用設計を効率化したい
  • 外出先から図面を確認したい
  • 図面を探す時間を減らしたい
  • 過去のノウハウを社内で蓄積・共有したい

目的によって、必要な機能が変わります。すべての機能を求めるのではなく、自社の課題を解決する機能を優先しましょう。

ステップ2:自社の業務スタイルを分析


次に、自社の業務を客観的に分析してみましょう。

チェックポイント

□ 見積業務は多いか?
□ 設計業務と製造業務、どちらが中心か?
□ 流用設計は多いか?
□ スケッチ図面からの見積依頼は多いか?
□ 類似図面を探す頻度は?
□ 図面は何点くらいあるか?
□ 予算はどのくらい用意できるか?

これらの質問に答えることで、形状検索が必要か、OCR検索で十分か、または両方必要かが見えてきます。形状検索が宝の持ち腐れにならないように、チェックしてみてください。

ステップ3:まず生産管理システム、次に形状検索を検討

多くの製造業にとって、最初に導入すべきは生産管理システム(OCR検索含む)です。

なぜなら日常業務で使う機能の大半は、品番検索や納期管理や工程管理、品番検索だからです。まずは、毎日使う機能を整備します。

その上で、形状検索が必要と感じる頻度が多く、費用対効果が見込めるようであれば、後から追加すればいいんです。最初からフル装備にする必要はありません。

段階的なアプローチにより、無駄な投資を避けながら、必要な機能を着実に整備できます。

ステップ4:運用ルールの整備

システムを入れる前に、最低限のルールだけは決めておきましょう。

決めるべきルール

  • ファイル名の付け方(例:品番_図面番号_改訂版.pdf)
  • フォルダ構造(システムが自動生成する場合は不要)
  • アップロードのタイミング(受注時、設計完了時など)
  • アクセス権限(部署ごと、外注先への公開範囲)
  • バージョン管理(改訂時のルール、旧版の保管方法)

重要なポイントは、ルールを複雑にしすぎないことです。守れないルールは意味がありません。シンプルで、誰でも守れるルールにしましょう。



図面管理に関するよくある質問(FAQ)

最後に図面管理に関するよくある質問とその回答をまとめました。


形状検索とOCR検索、どちらが良いですか?

どちらが良いかは、業務内容によります。見積業務や流用設計が多いなら形状検索、日常的な図面管理や納期管理が中心なら生産管理システム(OCR検索含む)が向いています。理想は両方を組み合わせることです。


OCR検索の精度はどのくらいですか?

印字された文字であれば、ほぼ100%認識できます。手書き文字は筆跡によりますが、重要な情報は通常印字されているため、実用上は問題ありません。


形状検索はどのくらい費用がかかりますか?

近年、価格が大幅に下がり、月額3万円程度から利用できるサービスもあります。重要なのは、自社の業務における活用頻度と費用対効果です。見積もり業務や流用設計が多い企業にとっては、十分な価値があります。


過去の紙図面も全てスキャンする必要がありますか?

基本的には一度に全てをスキャンする必要はありません。リピート品や使用頻度の高い図面から優先的にデジタル化し、必要に応じて追加していく方法を推奨します。ただし、形状検索の場合は、AI学習のために過去の図面、数千枚をスキャンする必要があります。


バーコード管理は難しくないですか?

図面にバーコードシールを貼るだけです。読み取りは安価なバーコードリーダーやスマホのカメラで可能です。現場作業者でもすぐに使えます。


システム導入の費用はどのくらいですか?

形状検索システムは月額3万円程度から、生産管理システム(OCR検索含む)は月額5万円程度から利用可能です。エムネットくらうどの場合、月額5万円(10ID同時接続)で生産管理+OCR検索が利用できます。


図面管理システムと生産管理システム、どちらを優先すべきですか?

業務内容によります。見積業務や流用設計が中心なら図面管理システム(形状検索)を、納期管理や工程進捗管理が課題なら生産管理システムを優先しましょう。理想は両方を組み合わせることですが、予算に応じて段階的に導入することも可能です。


エムネットくらうどと図面管理システムを併用できますか?

はい、可能です。実際に、エムネットくらうどで生産管理を行いながら、図面管理システムで形状検索を活用されている企業もあります。それぞれの強みを活かした運用が効果的です。



まとめ:自社に合った図面管理を選ぶ

図面検索に「絶対的な正解」はありません。形状検索には「形から探す」良さが、OCR検索には「文字と情報で探す」良さがあります。

大切なのは、「自社の業務の中心がどこにあるか」です。見積もりスピードを上げたいのか、製造現場の混乱を減らしたいのか、目的を確認しましょう。

長年製造業としてもやってきた経験で個人的なおすすめは、生産管理とOCR検索の組み合わせです。

まずは、品番検索やOCR検索ができる生産管理システムで足元を固めて、必要に応じて形状検索を足していく。この「小さく始めて育てる」やり方が、一番失敗が少ないので、試してみてくださいね。

図面管理でお悩みなら、まずはご相談ください

エムネットくらうどは、生産管理とOCR検索がシームレスに連携されたシステムです。
月額5万円から利用可能。
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この記事の監修者


角野 嘉一(かどの かいち)
日本ツクリダス株式会社 代表取締役 / エムネットくらうど プロダクト責任者


前職において父親の経営する鉄工所でデジタル化を推進し、業務効率化とネット集客の両面から改善を行うことで、売上高200%アップを達成。その経験を土台に、2013年に独立して日本ツクリダス株式会社を創業した。金属加工業務と並行して、町工場でも使いやすい納期・工程管理システム「エムネットくらうど」を開発し、2025年現在では約170社が利用するサービスへと成長させている。


製造現場での20年にわたる実務経験に加え、DX・生産管理の両面に精通した専門家として注目され、テレビ、雑誌、Webメディアなどからの取材も多数あり、製造業界専門誌への寄稿実績もある。デジタル化の取り組みが評価され、2021年 全国中小企業クラウド実践大賞 近畿大会「近畿総合通信局長賞」、2024年 経済産業省「DXセレクション」優良事例企業に選出された。

著書『マンガでわかるやさしいDX デジタルとアナログを融合し、仕事の効率化を目指す本』では、現場で培った改善ノウハウを体系化。本記事でも、自身の経験と知見をもとに、町工場の現場で本当に役立つ生産管理とDXのポイントをわかりやすく解説している。