導入事例

株式会社 三和金属工業所 様「社内の猛反対を乗り越えられた秘訣は、“全員で始めない”ことだった。」

鉄の加工をメインに、多品種小ロット生産で建築物や整備工具を作られている株式会社 三和金属工業所様。
扱っている機械は旋盤、マシニング、プレス、ワイヤー、スロッター、フリー鍛造など多岐にわたり、あらゆる金属加工に対応しています。
今回は、そんな株式会社 三和金属工業所の藤原社長に、エムネットくらうどを導入しようと思ったきっかけや決め手、実際に使ってみた感想をインタビューさせていただきました!



エムネットくらうどについて、株式会社 三和金属工業所様はこう思う!

■ 導入しやすい初期費用

藤原社長は、システムを導入するにあたって「万が一自社でうまく回せなかった場合に、すぐやめられるかどうか」を重視されていたようです。
そのため、初期費用で数百万円かかるようなシステムは導入に踏み切れなった過去があり、エムネットくらうどの料金帯に魅力を感じたと話してくださりました。

■ 情報共有がしやすくなった

お客様から納期に関する問い合わせがあった際の、事務スタッフと現場スタッフの連携や、打ち合わせ後のメモ書きなど、管理に必要な情報がエムネットで表示されるようになったため、情報共有がしやすくなったようです。

■ 全員が使えなくても回るシステム

エムネットくらうどは、全員が使えなくてもシステム運用が可能なため、「現場の人が使ってくれなかったらどうしよう…」という心配なく導入を進められた、と語られています。




「いつ仕上がりますか?」という問い合わせに答えられなかった

─ これまで、納期の管理などはどうされていましたか?

弊社は、「注文を受けたものから順番に作業する」という流れで現場が動いていました。
ただ、多品種小ロット生産ということもあって、各製品ごとに加工工程や各機械の混雑状況が異なります。
また、加工製品は日々入れ替わる状態ですので、注文を受けた順に作業を行っても、何日後にどの製品が仕上がるかというのは、明確に把握できていなかったんです。
なので、お客さんから「いつ仕上がりそうですか?」という問い合わせを頂いたときに、すぐにお返事できないという課題がありました。

社内での動きとしては、お客様からお電話を頂いたら、事務のスタッフが現場に向かいます。
そこで、まずは対象製品の各工程スタッフにお客様とのお約束の経緯を確認し、加工状況を聞いていました。
それを踏まえて納品日の目安をお客様に伝えるという形だったんですが、複数の案件にまたがってくると、日数も経過しますので、各工程スタッフも優先順位や最終決定内容などの情報が整理できなくなってくるんですよね。



─ どのように対応されたのでしょうか?

事務スタッフにエクセルで注残リストやお客様別の忘備録ファイルを作ってもらって、急ぎの案件と工程の変更内容をわかるようにしていた時期があります。
ただ、事務スタッフが電話で問い合わせを受けただけだと、対象製品の前回までのお約束の経緯や進捗状況はわからないんですよね。
なので、最新の情報が反映されていないと、リストを見ても結局すぐには返事できないわけですよ。その際、事務スタッフや各工程担当者の手を止めちゃっていますし。
そのような背景があって、システムを入れてちゃんと管理しないといけないなと思うようになりました。



“ちょうど良いシステム”がなかなか見つからない日々


─ システムを探すときはどのようなことを意識していましたか?

自社で生産管理システムを運用した経験がなくて、効果が出るイメージができなかったので、「注残リストの作成」と「納期管理」ができるシステムに絞って探していました。
とにかく、思ったときに何度も気軽に現場の状況を確認できるようにしたかったんです。

あとは予算感ですね。
当時は安いものでも600万円ぐらいが相場だったんですけど、もう少し低い金額帯か、欲しい部分が分割売りされているようなシステムがないものかと思い、なかなか自社に合うシステムを見つけられない日々が続きました。



─ その中でエムネットに興味を持ってくださった理由は?

1年ほどシステムを探すものの、採算が合わないということで導入を見送っていたときに、初期投資費用を抑えられるエムネットを見つけたんです。
「あっこれなら導入できそうだ」と感じて、詳しく調べてみることにしました。

それでも、費用対効果が合わなければ、すぐにやめるつもりでした。
だから、常に「やめられるシステムかどうか」という視点を持ってシステム探しを続けていましたね。



エムネット導入の決め手は“やめられる料金帯だから”

─ “やめられるシステム”というのは斬新ですね(笑)

でも、そこは決め手として大きいんですよ!
初期投資に5~600万円使って導入したとして、定着しなかったときに「ダメだったなー」と笑って済ませられるほどの勇気は、私にはありませんでしたから。
だから、一番リスクが低いところで始めたいと思っていました。
使ってみないことには、「実際どんなものが欲しいのか」ということすら、その時点ではわかっていませんでしたから。

“やめられる条件”としては、支払い方法が月々払いで、最初の初期費用を抑えられることがポイントでした。エムネットはちょうどそこに当てはまるシステムで、管理できる内容も私の希望に合致していたんです。
なので、「ダメだったらやめたら良いか」と思える料金帯だったのが、導入の決め手ですね。



どうしても生まれる「システム反対」の声


─ 導入はスムーズに進んでいきましたか?

いやいや、そんなことはないですよ。
まず、システムが継続してちゃんと運用できるかがずっと心配でした。

当初は、システムに反対する社内の声も多かったですしね。
どれだけ便利になると伝えても、やったことないことを始める、今のやり方を変えるってのは、やっぱり面倒さを感じたのだと思います。

実際、生産管理システムの導入を検討し始めた頃は、7割ぐらいのスタッフが反対していましたから。



─ それでも導入を実現できた理由は何だと思いますか?

とにかく一人一人に意見を聞いていった結果だと思います。
導入しても良いか、どんな設備があったら使えそうと感じるか、などをゆっくり聞いていきました。

はじめは、会社の方針として一気に導入を進めるのもありかなとは思っていたんです。
でも、導入したあとは、みんなに使ってもらわないといけないので、一人一人の意見を聞くようにしました。

あとは「本当に入れますよ」というアピールも兼ねて、日本ツクリダスさんにプレゼンしに来てもらったりしている内に、徐々に社内でも「入れるんだったらしょうがないか」という空気になっていきました。
その頃には、賛成:反対の割合は、6:4ぐらいになってましたね。



─ それでも4割の方は反対されていたんですね。導入をやめようとは思わなかったんですか?

「社長が決断しないと次に進めないですよ」と、背中を押してくれるスタッフもいたんですよ。「どこかで決断しないと、動きませんよ」ってね。

実際、反対派の人も断固拒否ではなくて、「自分たちは使わないけど、入れたいなら入れたら良いんじゃないか。勝手にやってれば…」ぐらいの反応だったので、「あっ、これなら入れられるな」と感じました。



─ どうしてそう思ったんですか?

エムネットって、入力項目を埋めなくても成立するシステムじゃないですか。
事務スタッフが製品の内容を詳しくわかっていなくても、情報が空のままバーコードを発行できるし、現場が全くエムネットを触らなくても、製品が現場を流れてるか、出荷してるかは事務処理だけで把握できますし。
詳細がはっきりしているものから入力していけば良いわけです。

だから「使わないけど、入れても良い」という従業員の発言は、OKサインだと受け取れました。
それに、まずは私だけが使えば良いやと思ってましたから(笑)



エムネットは情報が集まる場所に

─ 実際に導入してみて、いかがですか?

注残や納期、変更事項が、ちゃんと見えるようになりました。
あと、これまでは注文を受けた順に加工していたのですが、エムネットを入れたことで先の予定まで見えるようになったので、納期を見ながら「今やってる加工から段取りを変えずにできる他の加工はないか」などを考えられるようになりました。

現場でも納期が見えるようになったので、事前に「これ納期間に合わないんですけど…」と相談しにきてくれるようになりましたね。

これまで、見えなかった納期や社内打ち合わせ内容などの情報が、エムネットで見られるようになったのは大きいです。



─ 現場や納期の状況が見える化されたということですね。

そうですね。あと、エムネットがあって良かったと思うのは、工程が表示される画面にメモを残せるということ。
お客様ごとにどんな話をしたかメモを残しているので、言った言わないをなくせますし、スタッフに対しても「これって今どうなってる?」という話が(タブレットで運用しているため)現場でしやすくなりましたね。
入力もその場で行なえますから。

お客様との打ち合わせ通りに進んでいない案件があったら、状況を確認して、その都度現場と認識をすり合わせることができます。

こちらからすると、一度指示を出したら、確認しなくても予定通り進むものと思い込んでしまうじゃないですか。
でも現場はそうはいかない部分もあるので、早い段階でそのずれを確認できるようになったのはありがたいです。
自分が出した指示の確認が出来るのも良いですね。



いきなり全員が使えなくても良い


─ システムは完全に社内に浸透しましたか?

実は、まだ手書きの部分とエムネットを並行して使ってるんですよ。
今は、入力できない人は入力できないままで良い、という運用にしています。
そのうち紙の管理は廃止する予定にしたうえでですけどね。

でも、そうやって時間をかけて導入を進められるのは大きいです。
システムって人によって得意不得意がありますし、まずは理解が早い人から使えるようにして、それが徐々に浸透していく、ぐらいで進められれば良いかなと思っています。

─ エムネットの「すべての項目を入力しなくても良い」という点も活きたのかもしれませんね。

そうですね。
生産管理システムの中には、運用前にすべての情報を入力しないと成立しないものがあります。
そういったシステムだと、自動集計機能があっても、進捗状況などをすべて正確に入力できていることが前提になっている場合が多いので、実は意味をなさないことが多いんです。

たとえ、全員が入力しないと次に進めない仕組みにしたとしても、結局入力作業を行うのは人です。
導入に反対する人が多いと、「言ったように入力してくれない」「なんとか導入しない方向に持っていこうとする人が現れる」など、社内での運用がうまくいかず頓挫してしまう可能性があるのではないかと思っていました。

なので、「無理に全員が使わなくても回る」という点は、エムネットの良いところだと言えるんじゃないでしょうか。
少なくとも、私が求めていた範囲は、十分に活用できています。

まぁこれが導入費用に1000万円程かかっていたら、そんなこと言ってられないですけど(笑)
これから使っていく中で、自社に合わせた使い方をどんどん見出していきます。



インタビューを終えて

今回、藤原社長のお話で印象的だったのは「全員がシステムを使わなくても良い」という点でした。
システムは導入すると、一気に全員が使えるようにならないといけない、と思われがちですが、株式会社 三和金属工業所様のように、まずは使える人や使える場所から始めて、徐々に浸透させていくという考え方が大切です。

藤原社長は、エムネットを導入されるまで1年ほど悩まれていたのですが、「案ずるより産むが易しでした。導入に踏み切ればなんだかんだで回っていくので、悩む意味はあまりなかったように思います。」と、最後に語られていました。



弊社は、お客様が不安にならないよう、エムネットくらうど導入前も導入後もサポートを徹底しています。
「ウチでも使えるんだろうか?」と思った場合は、お気軽にお問合せください!


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