導入事例
延行機工株式会社様 「生産管理を徹底したら、休みを増やしたのに売上が上がった。」
産業機械をはじめ、製鋼所向けの設備、自動化・省力化設備、各種機械の設計から、材料の購入、溶接、加工、組立まで一貫して行っている延行機工株式会社様。
今回は、そんな延行機工株式会社の宮原社長に、エムネットくらうどを導入しようと思ったきっかけや決め手、実際に使ってみた感想をインタビューさせていただきました!
【導入のきっかけ】“利益”と“現場”を見える化したい
ー 今エムネットでどんなことを管理していますか?
今は、特に“原価の管理”に力を入れています。
これまで「この仕事って利益出てるの?出てないの?」って部分が、はっきり見えていなかったんですよ。
昔は「何月何日に誰が何分作業をやったか」みたいな作業日報を手書きで書いてもらってたんですけど…はっきり言って正確に集計するのって難しいですよね(笑)
きちんと利益を把握したかったので、システムを入れたらそこを徹底できるようにちゃんとデータを取ろうと考えていました。
ー コスト面を見える化したかったというイメージでしょうか。
そうです。特に、弊社はアッセンブリーなので、コストを算出しにくいという点があったので尚更ですね。
特定の部品だけであれば、まだ計算しやすいと思うんです。
部品1つ作るときにかかる時間などは計測しやすいし、それに対して1つあたりいくらの利益が出たのかも算出できます。
ただ、アッセンブリーだと部品点数も何百点になるし、最終的に組み立てて機械を作って…と作業していると、それぞれどれだけの工数がかかったのかってことが集計しづらいんですよね。
ー 確かに集計がきちんとできていないと、正確な原価は計算できないですもんね。
そうそう。
細かくデータを取れていたわけじゃないので、利益の残るもの、残らないもの(赤字になってしまうもの)がはっきり判別できませんでした。それぞれの理由もきっちり説明できませんでしたし。
それは経営的に良くないよね、と常々感じていたので、システムを使って利益やコストを見える化したいという想いが強くありました。
ー システムでは原価の管理をメインに行う予定だったのでしょうか。
他にも、「現場が見えない」という問題をどう解決するべきかも考えていました。
当時は、事務作業をやりながら、僕も現場で作業してたんですよ。
現場で機械を動かしつつ、他の作業もしながら事務仕事もやって…といった具合に。
そのときは、1日中じゃないにしても定期的に現場に行くので、「あのスタッフは今この作業をしてるんだな」というふうに、現場の状況はすぐに見えていました。
でも、いずれは経営に集中するために、事務所側の仕事に専念しようと決めてたんです。
そうなると、「自分が現場にいなくても現場の状況を見えるようにしておく必要がある」ので、そのための環境を整えたいという想いもありましたね。
アナログ仕事をいかにデジタル化するか悩む日々
ー システムを入れるにあたって、どのような課題がありましたか?
「事務所側のアナログ部分をどうやってデジタル化していくか」が大変でした。
仕入れの記録などもずっと手書きで付けてたし、何かを購入するときの発注や協力会社さんへの依頼なんかも全部アナログでやってて…。
だから、「前回の実績が見たい」って言うと、このファイル(写真のファイル)をガサっと渡されて「はい、どうぞ」みたいな(笑)
原価なんかも、ここに書かれてるやつを全部拾い上げて計算しないといけなかったんですよ。
当時は経理も全部手書きでやっていたし、集計1つするだけでも大変でしたね。
それらを解決するために必要だったのが、工程管理と原価管理をシステム化することだったわけです。
だから工程管理と合わせて、日々の日報収集もできるようなシステムを探していました。
【導入の決め手】現場が使い続けられるカンタン・シンプルなシステム
ー システムを探すときに意識したことはありますか?
「現場が続けられるかどうか」ですね。
展示会などで色々なシステムを見ていると、高機能なんだけど凝りすぎてるものが多かった印象があります。
デジタルデータを使えるかどうかって、きちんとデータを入力できてることが前提になると思うので、まずは「現場の作業者が無理なく使い続けられる(データを入力し続けられる)かどうか」が大事なんですよ。
高機能なシステムを導入しても、使いこなせなかったらもったいないじゃないですか。
だから“なるべくシンプル”なものを探してました。
ー 確かに先ほども「正確にデータを取ることが大事」とおっしゃってましたもんね。
それに関しては、日本ツクリダスさんが実際社内で使ってるのが大きかったですよ。
社内の人、それも作業者の人が使ってても継続して使えるシステムってことが伝わったので。
同じような機械を使って、その管理を実際に社内の人たちがエムネットを使って実践して、かつ継続できてて…って部分に安心感がありました。
ー バーコード1つで管理を進めていけますからね。
あと、導入にあたっては料金が安いのも判断材料になりましたよ。
例えば、やりたいことがたくさんある場合に、1000万円程かけてシステムを組むこともできますけど、それが機能しなかったら元も子もないですよね。
でも、エムネットの料金は「ダメだったらしょうがないか」と割り切れるぐらいなので。
とりあえずやってみよう、と試験的に始められる印象がありました。
あっ、あとは「社長のキャラクターが面白かった」というのもちょっとありますね(笑)
ー そのお言葉は必ず伝えておきます、ありがとうございます(笑)
【導入後の感想】生産管理を徹底すれば売上につながる
ー 実際、導入前にやろうと思っていたことはできるようになりましたか?
そうですね。集計もちゃんとできるようにやったし、こんな感じでエムネットから取り出してきたデータを応用して、原価管理表も作りました。
ー え!これ全部エムネットのデータを活用してるんですか?!
(宮原社長が見せてくださった表には、原価だけでなく、機械ごとにかかったコストなどの情報が詳細に表示されていました。)
エムネットから取り出せるログのデータを組み合わせて、作業者の作業実績を集計してきてるんですよ。
これを使えば、バーコードを読み込むだけで弊社の機械加工にかかる経費がいくらで、この部品の原価がいくら…みたいな情報がすぐに出せるんです。
つまり、利益がいくら出てるか、もしくは赤字になってしまったのかがすぐに把握できるようになりました。
ー 実際、売上面でも成果につながりましたか?
ありましたよ。
利益の出てるもの、赤字のものが見えるようになれば、赤字になるような仕事はできるだけお断りしていかないといけないじゃないですか。
そうやっていくうちに、エムネットを導入してから2年ほど経ちますが、粗利率も経常利益も着実に上がってきました。
エムネットくらうどは、職場環境の改善にも
実はシステムを導入するときにもう1つやったことがあって、それは“年間カレンダーの作成”です。
毎月必ず、3連休以上の休暇を取れるようにして、年間休日もドンっと増やしました。
その分、労働時間が減るんで、普通なら給料も減っちゃうじゃないですか。
でも、そのときに「休日増やしても給料は減らさない」って約束したんですよ。
その代わりにこういうシステムを始めるから協力してほしいと伝えました。
「やらなくても良い残業や休日出勤を減らそう。短い労働時間で利益が上がる組織を作ろう」ってね。
ただ、それを実践するためには、やっぱり第一に利益がちゃんと確保できていることが大事で、そのためにも現状を知る必要があったんです。
だから、システムへの登録などはちゃんとやってもらう必要があるから…それで利益がちゃんと出れば、無理に働かなくても良いから!というふうに、従業員にシステムへの理解を促していきました。
ー エムネットが職場環境の改善にもつながったんですね…!
いや、ほんとその通りですよ。
そこを心がけていると、若い世代の人たちも働き続けてくれますし。
僕は「途中でタバコを吸おうが、コーヒーを飲もうが、設定している納期通りに仕事を仕上げてくれたら何にも言わない。その納期にちゃんと製品が仕上がってるのに赤字…というのは経営側の責任やからね。」と伝えています。
現実は何でもかんでも予定通りいくわけではないってのが製造業のジレンマなんですけど、それを少しでも解消するために、こういう管理をしていくことが大事だと考えています。
ー よく考えると、休みを増やしたけど売り上げは上がってるってことですよね?
そういうことです。休みを増やしても売上が上がるって面白いですよね。
それだけ「実態を見えるようにすること」って大事なんだと思います。
これってダイエットとかも一緒の考え方ではないかと。
僕自身、体型をキープするために毎日体重を測って記録をつけてるんですけど、その日の体重によって今日は食べられる、今日はやめておこうってことを考えてます。
経営も一緒で、数字を見ていないと利益の出ない仕事でも「まぁ今回は良いですよ」と受けてしまうんですけど、損することが目に見えると、「ちゃんと交渉しよう」とか「ここは折れられないな…」って部分が見極められるようになりますから。
やっぱり「数字を見ること」って大事なんですよ。
エムネットくらうどを導入して、まさにそれが可能になりました。
業務を効率化するための秘訣は「探し物の時間をなくすこと」
ー 見える化することって業務を効率化するうえで大切なことですね。
そのとおりですね。
あっ、最後に、生産管理システムを導入して感じたメリットをもう1つ。
それは「探し物の時間がなくなる」ってことだと思います。
会社で一番の無駄は「探すこと」なんですよ。
分厚い書類の束をめくって資料を探している時間などがあると、それってすごくもったいないんですよね。
だから、ファイリングしてパソコン上でもフォルダを作って…といった具合に管理すると一気に業務効率が上がるんです。
フォルダが増えていくとややこしくなるかもしれないんですけど、エムネットを使えばすぐにフォルダも見つけられるし、集計も検索も一瞬でできて便利だなと思いますね。
そんな観点も持ちながら、これからもエムネットを使いこなしていきたいと思います。
インタビューを終えて
延行機工株式会社様は、エムネットくらうどで徹底的に「原価管理」と「工程管理」を行っておられました。
特に、原価管理に関しては、エムネットくらうどから取り出した実績データをエクセルに取り込み、独自の原価管理表を作成されているのが印象的でした。
「休日を増やしても、売上は上がった」とおっしゃっていたように、原価も工程も見える化することで、これまで気づけなかった経営の課題が見つかるかもしれません。
もし「原価や工程をはじめ、社内の状況がいまいちよく見えない」というお困りごとがあれば、一度お気軽にご相談ください!