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生産管理システムを導入すると儲かる!?
生産管理システムの導入を検討する理由は様々だと思いますが、お客様から伺う理由としては下記の理由が大半を占めます。
- 製造・生産をスムーズに行いたい
- 仕事をきちんと管理して記録を残したい
- 仕事の進み具合や仕事の量などを把握したい
- 仕事の漏れや忘れを防ぎたい
- ◯◯さんに聞かないとわからないなどの属人化を無くしたい
上記の目的は生産管理システムを導入し、しっかりと運用することで解決できます。そのメリットを得る一方で、生産管理システムを導入することで手間が増えて大変だし、その手間のぶん負担が増えてコストが増えると考えるかもしれません。
実は半分正解です。半分としたのは、たしかにシステムを導入して記録を付けるぶん手間は確実に増えます。
実際1つ1つの登録作業などちょっと負担が増えたりもしますが、記録をしっかり付けていくことで情報やデータの蓄積がされていきます。
残りの半分の不正解?は何かというと、今回の記事のタイトルにもある通りシステムを導入すると利益の向上が見込めるということです。もちろんシステム自体が利益を生むわけではありません。
ということで、どのように”儲かる”かを考えてみます。
1:利益にならない無駄な時間が減る
生産管理システムを導入することで得られるメリットの1つに、情報が蓄積でき検索をして探すことができる、集計ができるなどデータの活用があります。
例えば、仕事の状況や進み具合を知りたいときに、システムがなければ事務員さんや営業が現場まで見に行ったり、現場のスタッフに電話などで連絡をとったりする必要があります。
1回10分くらいかかるとして、月に10回あったら100分、年間にすると何日分もの時間が状況確認だけで使われています。システムで検索して状況がすぐ分かれば、探す時間が何分の1にも減ります。現場に電話をかけると、現場は仕事の手を止めて電話でなければなりません。5分電話したとしても電話をかけるほうと受ける方で合計10分のロスになります。チリも積もれば・・・で年間にすると膨大な時間が利益を作れるはずの仕事時間以外に使われています。
情報の蓄積では、過去の仕事をすぐに調べることができます。図面やその時の単価などもすぐにでてきます。図面探しや書類探しで数時間かかった経験は誰しもあると思いますが、それも積み重なると膨大な時間になります。
集計業務も、伝票が紙で上がってきたら金額や数量、時間などを1つ1つ確認して電卓を叩いて計算したりすることがありますが、枚数が多くなると途中で間違えて最初からやり直し・・・を繰り返すことも。データがあれば、SUMで合計の数字が一瞬出でます。
利益を生まない仕事の時間が減れば、1つでも2つでも仕事を多くこなすことができ、残る利益が増えます。
2:価格が適正かを見直せる
製造業において、原価となるのは材料費、工作機械のリース費用、水道光熱費、人件費などがあります。
この中で人件費は原価の大きな費用の1つで、1つの製品をつくるにも誰がどれくらいの時間をかけて作ったかで利益が大きく左右されます。この人件費はなんとなくの感覚でどんぶり勘定だったりしませんか?
生産管理システムでしっかり記録をつければ、工程の開始と終了の時間、製造した品や個数がしっかりと把握出来るようになります。かかった時間がわかれば人件費として出ている費用の算出もできます。
営業の段階でおおよその費用感で見積もりをしたものの、実際に作ってみたら想定していたより加工が難しく不良が出やすかったり、作業に時間がかかり、実は利益が全く出ていない仕事も中にはあると思います。特にリピート品などは毎回記録をしっかり付けることで、平均の人件費が算出できるので、見積もりの単価が適正かどうか検証することができます。
もし利益が出ていない仕事であれば、単価を上げてもらう相談をするか、その仕事自体をやめてしまうか継続して行うにしても利益のでやすい仕事とセットでお願いをするか検討してみても良いと思います。
人件費などの計算をして原価計算を厳密にすれば儲かっている仕事、利益が出ない仕事がわかるようになり、新しい仕事の相談が来た時も感覚に頼らず適正な単価を付けることができます。同じ仕事でも価格をしっかりつけることで利益はより多く残る事になります。
3:仕事の状況がわかり、暇な時間を減らせる
ロットでの大量生産以外の仕事は仕事量が一定ではないので、仕事が重なってすごく忙しいときもあれば暇でやることがない・・なんて時もあるかもしれません。
生産管理システムを導入すれば「今動いている仕事」「この先の決まっている仕事」が社内全体でわかるようになります。あらかじめ仕事が薄い時期が分かれば、積極的に営業を掛けても良いかもしれません。まとまった余力があるのであれば、その暇な時限定で単価を少しだけ下げて「いま暇なので特別に!」という営業も可能になります。(仕事が動かず止まってしまうよりは、利益少なくても動いているほうが会社としては利益が残ります。)
また、システムを導入することで、会社全体の仕事だけでなく工程ごとの仕事の進み具合がわかります。
仕事は工程ごとの負担も異なるため、自分が担当している工程が暇でも前工程がすごく詰まっていたりすることもあります。前工程の仕事の負荷状況が事前にわかれば、その詰まりが解消したタイミングで自分の工程に仕事がドーン来てしまわないように前工程の担当と相談して仕事がスムーズに流れるように調整することも出来るようになります。
製造業は利益視点で考えるといかに工作機械を止めずに動かすかがとても大切です。会社全体や工程での仕事の偏りを常に意識するためには人の感覚だけに頼らず、生産管理システムを積極的に活用しましょう。
生産管理システムを導入して仕事が見える化すると、個々のスタッフの意識も少しづつ変わり会社全体の仕事の質の向上にも繋がります。システムは導入した当初効果が見えづらいのですが、情報が蓄積してきて運用が軌道に乗ると無くてはならない存在になります。
おおきく3つの儲かるポイントを挙げてみました。いかがでしたでしょうか。
工作機械は導入するとわかりやすく売上に繋がりますが、生産管理システムは導入してもなかなか費用対の効果が見えづらいかもしれません。ですが、見えない無駄やロスを減らすことで売上や利益の向上に繋がります。
生産管理システムは導入しても利益を生まない・・と考えずに、利益をしっかり作るための1つとしてご検討ください。