製造業の在宅ワークって実際何ができるの?


徐々に働き方が変わりつつあるなあと思っていたら、2020年の新型コロナウイルスの影響によって一気にそれが加速されました。その働き方の中で一番大きな話題になるのが、在宅ワークではないでしょうか。だけど私たちは製造業として日々機械に向き合いながら工場に出てこないと仕事ができない業種です。また町工場と言われる規模でもあるので人数も限られている。そんな製造業であり、町工場である私たちがどのようにして在宅ワークを導入したのか、どんな在宅ワークの方法があるのかなどをお話してみたいと思います。

在宅ワーク、テレワーク、リモートワークなど様々な言葉で聞き慣れない言葉ばかりが先行し、実際にどうすればよいのかはまだまだ手探り。だけど新型コロナウイルスなどのような活動を自粛せざるを得ないような状況では、知っているのと知らないのとでは大きな違いが出てくると思います。

町工場にはどんな仕事があるの?

日本ツクリダスは町工場です。機械部品や金型のを製造しているのですが、旋盤やフライスを使った金属加工業となります。
そんな私たちの仕事を例にしながら、まずは在宅ワークのお仕事をご紹介する前にどんな業務があるのか分解してみたいと思います。

  1. 見積
  2. 受注
  3. 生産
  4. 検査
  5. 出荷
  6. 請求

業種によって少しずつ違いはあると思いますが、大きく分けて上記のような業務で成り立っているのではないでしょうか。

この他に機械を製造するようなメーカーだと、設計業務や組立業務、電気配線、試運転、立ち会いなどもあるかと思います。このように上記の大きなくくりの中では少し見えない細かい業務についても書き出してみたいと思います。

  • 引き合い獲得(広報、販促)
  • 材料調達
  • 外注への発注
  • 設計
  • 組立
  • 電気
  • 試運転
  • 立会
  • 日報収集、データ登録、集計
  • 在庫管理

こまかく分けていくと上記のような業務もあるかと思います。

在宅ワークにできそうな業務内容は?

製造業だと在宅ワークを取り入れるのは困難というイメージはあるかもしれません。だけど仕事の内容を細かく分解していくと在宅ワーク化できる部分も数多くあるのではないかと思います。

では先ほどピックアップした大きな業務の中から、在宅ワークができそうなものをもう一度あげてみたいと思います。少しでもできそうだと思ったものをピックアップしてみますね。

  • 見積
  • 受注
  • 生産
  • 検査
  • 出荷
  • 請求

あれ? 全部でした(笑)

一部業種や条件はあるもののすべての業務でテレワークにできそうです。
もう少し具体的にどのようにしてできそうかお話してみます。

見積

まずは見積です。

見積は図面やCADデータ、写真、現物などをもらって、それを製作するのにいくらかかるのか?という事を算出する業務です。ここでは、お客様より何かしらのデータをもらって見積を行うというお仕事が中心のお話となってきます。日本ツクリダスは部品加工業ですので、そのほとんどが図面支給になります。

見積を在宅ワークにする場合は、次のような事が考えられます。

  • FAXやメールを在宅で受取り、共有データとして保管する
  • 見積管理リストを作成する
  • データを用いて見積を行う
  • 見積はPDFなどを利用して、データ上に直接書込む
  • 紙で計算したものでも、スマホでスキャンするなどして共有データ化する
  • 見積書を作成する

実際に上記のような業務が在宅でできそうです。

この記事を書いている私も加工品の見積を行っていましたが、自宅で見積業務は日常的に行っていました。もしかすると一番在宅化しやすい業務かもしれません。

この業務で在宅化できる職種は、事務職、営業職となるでしょうか。



受注

お客様から「注文するよ」という意思表示を頂いたら、その注文を「受注」として処理する必要があると思います。受注に関しては注文書の処理や、製作をするべき図面などの処理、発注の処理などがあげられます。そしてどんなにアナログでも受注処理は必ず行っているのではないでしょうか。ここでいう受注処理は、材料発注など実際に生産するまでにやらなければいけない事を指しています。

では、受注処理ではどのような部分が在宅化できるでしょうか

  • FAXやメールなど注文書や図面を受け取り、システムに登録する
  • 材料を発注する
  • 協力会社に発注依頼する
  • 工程の検討や決定を行い、システムに登録する
  • 受注データを元に加工順序や納期調整を行う

日本ツクリダスの在宅化に関しては、実はこの受注処理の部分が一番大きいです。ざっくりお話すると当社が利用しているM:netという生産管理システムの中に受注情報を登録するという部分です。月間で約1000枚分の図面の登録を毎日在宅で行っています。



生産・検査・出荷

生産に関してはあまり在宅化できる部分はなさそうだな~と最初は思っていました。ただこの記事を書きながら業種にはよるができる部分もあるなと考えを改めました。

よく考えてみると大昔から在宅化されているのが生産ではないかと思ったのです。お気づきになったでしょうか、内職ですね。
もしかすると在宅ワークの起源と言ってもいいのではないかもなあと勝手に思っています。細かい部品の組み立てなど内職は昔からある生産方法ですね。このほかに服飾の職人さんなんかも在宅が多いと聞いたことがあります。製品検査専門の内職というのも聞いた事があります。

そして組み立てられた製品をそのまま検査して出荷するという事もモノによってはできるのではないかと思います。

このように実際に生産を行う業務は、作業を細かく分解する事でその一部を在宅化するという事も可能になるのではないでしょうか。

ちなみにですが、日本ツクリダスでは残念ながら在宅化できそうな製造、検査、出荷の業務はありませんでした。



請求・経理

製作が終わって納品するときには納品書を発行したり、後から請求書を発行したりという業務があります。そのタイミングは色々あると思いますが、特に後から請求書を発行するといった場合にはこちらも在宅化ができそうです。

  • 請求書の発行
  • ネットバンキングを使って入金確認や支払い
  • 経理上の記帳業務

請求業務や経理業務などでも在宅業務をすることは可能となりそうです。

ちなみに日本ツクリダスでは請求業務は在宅化していませんが、経理とりわけ財務面では在宅化を実施しています。というか、会社であろうが自宅であろうがどこでもできるようにしています。



どうやって在宅ワークにすればいいの?

ここまでご説明したように、実は在宅化できそうな業務というのはその業務を分解する事でできそうだと思える事もたくさんありました。ただそこで課題や問題となってくるのは次のことです。

  • どうやって情報を共有するのか

ひとつの場所で作業を行わず、それぞれの担当者がそれぞれの自宅で仕事を行うわけですから、その仕事が「誰でも、どこからでも、いつでも、同じ状態で確認できる」必要があります。

それは単刀直入にお話するとクラウド化するというのが一番分かりやすい表現でしょうか。

インターネットの中でできる仕事をピックアップして、その仕事はインターネットの中で実行できるように仕組化してしまう。というものです。クラウド化されたシステムはインターネット上で動作しているソフトです。従って登録された情報は誰がどこにいてもリアルタイムにその状況を確認する事ができるようになります。

当社が自社開発し販売している生産管理システムもクラウド方式なので、例えば在宅で受注登録された案件は、生産現場ですぐに確認できるという体制になっています。
生産中、どこまで進んでいるのか、出荷されたのかなど、お客様から確認を求められることは多々あると思います。在宅勤務中の営業マンは、その情報をインターネットで確認しその場で回答ができるようになります。
無事出荷されれば経理担当は出荷実績を確認しながら伝票の発行が自宅からでもできるという仕組みも作れます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

在宅化の重要なポイントとなるのは、情報の共有化。すなわちクラウドシステムではないかというお話でした。実際に私たち日本ツクリダスでは次のようなものをクラウド化しています。

  • 文書、データを管理するオンラインストレージ(ネットワークハードディスクのようなもの)
  • 生産管理システム(受注管理、見積管理、納期管理、進捗管理)
  • 勤怠管理システム(当社のタイムカードはスマホです)
  • 給与管理システム(給与明細はメールで送られます)
  • 伝票システム(リモートデスクトップ)
  • FAX転送
  • 社内SNS(ありがとうを贈りあったり、仕事に関係のない交流)
  • 伝言ツール(電話があった、〇〇やっといてなどの依頼)
  • 掲示板ツール(回覧、社内のお知らせなど)

上記のようにたくさんのツールや仕組みをクラウド化し、必要であればいつでも在宅に切り替えられるような体制を構築しています。もし、当社の取組みに興味を持っていただいた方は、見学なども大歓迎ですのでいつでもお声かけ下さい。

世の中に在宅化の流れが急速に生まれてきて、製造業や町工場では気にはなっているものの、何をどうすればいいのか分からない。という声は多く聞きます。そして、製造業ではそもそも在宅化なんてできるわけないといった声も一部では聞かれます。

すぐにやるかどうかは別として、在宅化できる可能性はないのか?を考えてみたり、それこそ可能性がある事を知っているだけでもいざという時に動き方が大きく変わるかもしれません。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
この記事が少しでもご参考になれば幸いです。